2005~08年にタンザニアで仕事した後、2010~12年に計1年、調査のためにタンザニアに滞在しました。2014年10月からダルエスサラーム大学政治行政学部で教えるためにタンザニアに戻ってきました。darはダルエスサラーム、journalは日記という意味です。イギリス留学についてはブライトン・ジャーナル(brightonjournal.blogspot.com)をご覧ください。

Wednesday, December 01, 2010

アシタカ

タンザニアに来る前に、研究テーマに対する自分自身のスタンスについていろいろ考えて、映画『もののけ姫』の主人公アシタカのようなスタンスで調査に臨もうと思っていました。アシタカの台詞にある「曇りなき眼で(真実を)見定める」というのを目標に(冗談ではないのです・・)。エボシ(文明)とサン(自然)の対立ほどまでではないにしても、私の研究テーマにも、相反する考え方が存在していて、この2ヶ月の間、両者から話を聞いてきました。どちらも筋が通っているので、なぜその人たちがその考えに至っているのかを想像しながら、できるだけ中立的な立場で話を聞こうと思っています。研究者は完全に中立的な立場をとることはできないので、むしろ自分の立場や偏見をあらかじめ認識した方がよいという考え方もありますが・・。

それから、これはとても小さい話ですが、最初の1ヶ月間、ダルの街中を歩いているとき、タンザニア人(男性)から頻繁に声をかけられていたのですが、その際にも、旅するアシタカのような冷静な気持ちで無視して歩こうと思っていました。「ジャンボ」や「ハバリ」といった挨拶に始まり、タクシーの運転手に「タクシー!」と叫ばれ(まぁこれは彼らの仕事なので仕方ないのですが)、「チナ(中国人)!」、「ウナペンデーザ(きれいな格好してるね)!」「アイラブユー!」などなど。挨拶くらいは返事してもいいのですが、「もっと話したい」などと言ってついてくる人もいるので、大体最初から無視しています。外国人女性はみんな似たような経験をしていて、イギリス人の友人によると、彼女はチナの代わりに「ムズング(白人!)」と呼ばれるそうです。最近はだいぶ呼ばれなくなりましたが、それでも「チナ」とは言われるので、アシタカのように冷静に歩きつつ、最近は密かに「チナ」と呼ばれた回数を数えています。今日は3チナだったな・・とか。

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