2005~08年にタンザニアで仕事した後、2010~12年に計1年、調査のためにタンザニアに滞在しました。2014年10月からダルエスサラーム大学政治行政学部で教えるためにタンザニアに戻ってきました。darはダルエスサラーム、journalは日記という意味です。イギリス留学についてはブライトン・ジャーナル(brightonjournal.blogspot.com)をご覧ください。

Saturday, September 27, 2008

ご挨拶

2006年4月に始めた「ダル・ジャーナル」ですが、今年6月に日本に帰国し、明日日本を発つことから、そろそろ更新を終了したいと思います。またタンザニアに行く機会があれば、その時に書くかもしれませんが・・。

これまで、私の視点で、タンザニアについてお伝えできればと思って書いてきましたが、タンザニア滞在中は、平日は朝から夜まで仕事にどっぷり浸かっていて、ブログがなかなか書けない、という面もありました。でも、周りの方に支えてもらいながら、仕事に集中できたことは有難く、3年間のタンザニア滞在はとても貴重な経験となりました。

さて、私はこれから、イギリスのサセックス大学のガバナンスと開発修士プログラムで勉強します。5年ぶりに大学で勉強したいと思ったのは、タンザニアでの仕事を通じて、タンザニア、さらにアフリカの政治や開発について、もっと深く掘り下げたいと思ったからです。

今後はイギリスから、「ブライトン・ジャーナル」を書きます。ブライトンは、私が滞在するイギリス南部の海沿いの街の名前です。さすがにブライトンでは、ダルのように、自転車を頭に乗せて運ぶ人などに遭遇することはあまり無いだろうと思います。ブライトンについてのみならず、大学で学んだことや、読んだ本などについても書こうかなと思っています。お時間あるときにでも見てみてください。

これまで、ダル・ジャーナルを読んでくださって、どうも有難うございました。Asante sana & tutaonana!

(写真は、若かりし頃のニェレレ・タンザニア初代大統領の顔がプリントされたカンガです。)

Monday, September 22, 2008

カンガ・ファッションショー

6月、同じ職場のNさんとMさん、ダルエスサラーム大学でスワヒリ語を学びつつ、博士論文の研究の準備をされていたKさんと私、日本人女性計4人でカンガ(タンザニアの布)ショッピングとカンガ服作りに行きました。

もともと、Nさんが時々オフィスにカンガで作った服を着てこられていて、素敵だなと思っていたら、上手な仕立て屋さんを知っているので一緒に行きましょう、と誘ってくださったのです。

週末、Nさんのお宅に集合し、まずはカンガ通りへ買出しに。カンガ通りは街の中心部にあって、カンガやキテンゲなどの布の小売店が並び、タンザニアの女性たちが集まるエリアです。こぎれいな卸売りのお店もあれば、路上や通路のようなところに、女性の売り子さんたちが並んで座っていて、山積みの布を見せながら、カリブ(いらっしゃい)~と声を張り上げているところなどもあります。

それぞれ気に入った布を購入して、テメケ地区の仕立て屋のA氏のところへ。 Nさんは元協力隊員で、赴任地がテメケ地区だったので、以前からこの地区やA氏のことをよく知っているのです。 仕立て屋さんは、中国政府の支援で建てられた国立競技場の前にありました。

MさんとKさんが3着ずつ、私が2着、Nさんはギターのケースを注文。どんな服にするか希望を伝え、Aがそのデザインと寸法を手書きで紙に書いていきます。 袖はこういう形、スカートのラインはこう、と、1着ずつ細かく注文しましたが、Aは手馴れた様子。

2週間後、全ての服とギターケースができました。 カンガ・ファッションショー、と言って、1着ずつ試着してみんなで見せ合うのは楽しかったです。 お直しが必要なときは、その場ですぐにミシンで直してくれました。 ギターケースも何度か直しながら、できあがりました(上の写真)。 Aの仕立ては確かに上手で、カンガの柄の合わせ方もうまかったです。

Nさんがスワヒリ語でカンガ布の値段交渉や、服のデザイン決めなども手伝ってくださったので有難かったです。カンガ服は、帰国後に大学のゼミにお邪魔したときに着ましたが、好評でした♪これからも機会があれば、是非カンガを着て宣伝したいと思います。

Sunday, September 21, 2008

サファリ

これまで、タンザニア国内旅行で行ったザンジバルやムソマについては書きましたが、王道のサファリについてはまだ書いていませんでしたので、ご紹介を。

3年間の滞在中、タンザニア北部にあるセレンゲティ国立公園、ンゴロンゴロ自然保護区、マニャラ湖国立公園に行きました。実はセレンゲティとンゴロンゴロには2回ずつ行っています。

私は特にゾウが好きなのですが、1回目(06年1月)に行った際には、なぜか遠くの方に1頭くらいしか見ることができなかったのです。2回目(07年8月)の敗者復活戦では、たくさんのゾウを見ることができました。

セレンゲティ国立公園(Serengeti National Park)は、マサイ族の言葉で「果てしない平原」という意味だそうですが、その名のとおり広大な土地です(四国が入る広さです)。サファリ・カーの天井を開けて、上から頭を出して、顔に風を受けながら、360度地平線が見える平原を走った時の爽快感は格別でした。地球を肌で感じるというか。

ンゴロンゴロ自然保護区(Ngorongoro Conservation Area)は、火山の噴火によってできたカルデラで、高い壁に一面を囲われたクレーターの中に動物が生息しています。クレーターの淵にロッジが並んでいて、ロッジからクレーターの全貌が見えるのですが、フラミンゴのいる湖があって幻想的で、子どものころに読んだ童話の中の世界のようでした。

マニャラ湖国立公園(Lake Manyara National Park)でも、サファリ・カーから頭を出していたのですが、こちらは森林の中だったので、森のイオンに癒されるようでした。


3つの場所で、いろいろな種類の動物を見ることができました。右の写真はライオン兄弟。





サファリ以来、生まれ変わったらゾウになりたいと思っています。




他にも、キリン、シマウマ、インパラ等の草食動物、ヌーの大移動、チーターのハンティング、レオパード、タンザニアではンゴロンゴロでしか見られないクロサイ・・なども見ることができました。他に、オルドバイ渓谷(アウストラロピテクスの化石が発見された地層)に行ったり、マサイ族の村を訪問したりもしましたが、いずれも人間が大自然の一部であることが垣間見れて良かったです。

また、個人的には、動物に近づいて車のエンジンを切ったときに広がる静寂や時間の流れ方、泊まったロッジでの朝や夜のひんやりとした空気などが、印象に残っています。あとは、朝食のときに、レストランの階段で大きなオスのバブーン(ヒヒ)とすれ違ったこと・・でしょうか。腰を抜かさなくてよかったです。

Wednesday, September 10, 2008

ザンジバルの旅行会社

私とザンジバルに行かれた方はおそらく一緒に行っていると思いますが、ザンジバルに行くたびに立ち寄っていたローカルの旅行会社について。もともとオフィスのTさんから教えてもらい、それ以来、いつもここにツアーをお願いしていました。

このお店に行くと、いつも出てくるのがSです。Sは日本人のお客さんだとわかると、日本語で「こんばんはー」「元気ですかー」などと高いテンションで言ってくるので、ちょっとびっくりしますが、基本的にはザンジバルらしいゆったりした感じで、でも、丁寧に対応してくれるので助かりました。

それからお店では最近はあまり見かけませんが、社長のH。Hからは話を聞く機会がありました。彼はザンジバル出身で、12歳のときに父親が亡くなり、13歳からストーンタウンの街のガイドを始めました。当時はストーンタウンで一番若いガイドだったそうです。外国人観光客に接するうちに、どの国の人たちがどういうツアーが好きかという特徴がわかってきて、2000年に旅行代理店を立ち上げました。他に家具の販売などもやっています。

約1年前の時点で、「今後は観光客向けに船のツアーをやりたい」と言っていて、船のエンジン調達のためにモロッコに行くと言っていました。その後も、頻繁に外国に行っているようです。彼は格好もラフだし、気さくなお兄ちゃんという感じなのですが、実はやり手のビジネスマンなのでした。

それから、海外に行く機会が多くても、「ザンジバルが好きだから外国には住まない」と言っていたことが印象的でした。自分のやりたいことを実現させ、次の夢に向かっているザンジバル人に会えたことは光栄でした。

Sunday, September 07, 2008

お金を貯めないタンザニア人?

私がタンザニアで雇っていたハウスガール(お手伝いさん)は、時々「家賃の支払いがあるから」「子どもの学校でお金が必要」などと言って、給料の前借りを頼んでくることがありました。急にお金が必要になる場合とは違い、家賃はいつ頃いくら必要になるか、あらかじめわかるだろうから、普段から給与の一部を少しずつ貯めておけばいいのになぁ、と思っていました。

ダルエスサラームで、大学の先生とお話をする機会があったのですが、タンザニア人にはお金を貯める習慣がなく、それはお金を貯めると、家族・親戚から援助してくれと頼まれるから、貯めずに早く使ってしまおうと考えるのだと教えてもらいました。例えば、土地を買うとか。不動産は簡単に人に渡したり、お金に換えたりできないからだそうです。

どこまで一般化できる話なのかわかりませんが、将来の計画を立てる能力がないのではなく(それもあると思いますが)、そもそも貯蓄しにくい文化や環境があるのだとしたら、根深い問題です。

Tuesday, September 02, 2008

クンビクンビ

読書中にうとうとしていたら、クンビクンビ(東アフリカで雨季に局地的に大量発生する羽アリ)の羽がスカートにたくさんついて、はらってもはらっても取れないという夢を見ました。

なんで急にこんな夢を見たのか分析したのですが、たぶんその前にテレビでスズメバチを見たのが原因だと思います。スズメバチからクンビクンビを連想してしまう、私の潜在意識もどうかと思いますが。

タンザニアでは、雨季の夜に、オフィス近辺でクンビクンビが発生していました。大量に飛び回っている下を通らないと帰れないので困りました。そのうち、だんだん慣れてきて、「あー、またクンビクンビの季節になったかぁ」という程度にはなりました。でも、もちろんあまり気持ちいいものではないのです。

因みにタンザニア人はクンビクンビを揚げて(?)食べるのだそうです。食べ物だと思えば、違って見えるのかもしれません。