2005~08年にタンザニアで仕事した後、2010~12年に計1年、調査のためにタンザニアに滞在しました。2014年10月からダルエスサラーム大学政治行政学部で教えるためにタンザニアに戻ってきました。darはダルエスサラーム、journalは日記という意味です。イギリス留学についてはブライトン・ジャーナル(brightonjournal.blogspot.com)をご覧ください。

Sunday, July 30, 2006

ムソマ訪問③

ムソマでお世話になったKさんから、「もっともっと、おかしなことがいっぱいあったと思います。どんどん書いてください」というお言葉をいただきました。ありがとうございます。

「おかしなこと」は次回以降書くとして、私が見学させていただいたKさんの授業をご紹介します。Kさんは青年海外協力隊の村落開発普及員でしたが、タンザニア人が村落開発普及員になるための授業を行う「学校型」の活動を行っていました(すでに任期を終えられています)。

私がお邪魔した授業では、農村の年間活動カレンダーや、男女別の一日の時間表の作成などが行われました。年間カレンダーは農家の人々がどんな仕事をしているかをカレンダーにするというもので、村で新しい活動を始める場合の計画を立てる際などに有効です。男女別の一日の時間表は、ジェンダー(女性がいかに多くの時間を農作業や家事にあてているか)について理解するためのものでした。

授業中、興味深かったのは、Kさんが板書し始めると、学生たちがしんと静まって、もくもくとノートに書き写している様子でした。これは小中高の頃、先生が板書した内容を書き取り、暗記してテストに臨むという習慣によるようでした。グループワークやその後のディスカッションになると、わいわい盛り上がり、積極的な発言もたくさんあったので、板書の時間の静けさが際立って感じられました。

Kさんはカレッジの敷地内に住んでいましたので、他のタンザニア人の先生や学生とは、授業だけでなく、生活を共にしていました。例えば、電気や水がカレッジに来ない時は、Kさんの家にも電気・水は来ません。・・・そういえば、私はKさんのお宅に泊めていただいたのですが、溜めておいた水を沸かしたたらいのお湯で入浴することがわかったとき、私が今日は髪を洗いませんと言ったら、Kさんに呆れられましたね。

協力隊の方々は現地の人たちと同じレベルの生活をしますので、皆さん大変な思いをされていると思いますが、そうやって築かれたKさんと他の先生や学生との近い距離感は貴重なもので、隣で見ていてとても羨ましく思いました。

タンザニアで活躍する青年海外協力隊については、下記JICAのウェブサイトをご参照ください。 http://www.jica.go.jp/tanzania/activities/04.html

Thursday, July 20, 2006

ムソマ訪問②

前回に続いてムソマに行ったときの話ですが、Kさんに「粟(あわ)ウガリ」が食べられる地元の食堂に連れて行っていただきました。

タンザニアの主食であるウガリについては、以前「ローカルご飯」でご紹介しました。普通のウガリは白くて味がないのですが、粟ウガリは真っ黒で、独特の味があって美味しかったです。ムソマに行く機会はそう無いので、もしかしたら一生に一度しか食べられない貴重なものだったのかもしれません。

ダルには粟ウガリはないと思いますが、「キャッサバ・ウガリ」が食べられる食堂があります。粟ウガリもキャッサバ・ウガリもお餅のような食感で、(私にとっては)和風の味がするので、黒蜜をかけたり、みたらし団子にしたりしたら美味しいのではないかと密かに思っています。日本で商品化したら、案外いけるかも・・・これはムソマにまた行かないといけないですね。

写真はKさんの勤めていたカレッジの台所です。

(③へ続く。)

Sunday, July 16, 2006

ムソマ訪問①

昨年11月、休暇をとって、タンザニア北部のビクトリア湖東岸にある町、「ムソマ(Musoma)」に行きました。ムソマには、村落開発のコミュニティカレッジで教鞭をとる青年海外協力隊のKさんがいらっしゃり、家に泊めていただいたり、授業見学(のみならずグループワークに参加)させていただいたり、大変お世話になりました。

ムソマまでは、ダルからタンザニア第2の都市のムワンザ(Mwanza)まで飛行機で行き、その後、ムワンザからムソマまで長距離バスで3-4時間かかります。今はダル・ムソマ間を週2回くらい飛行機が飛んでいるので、ローカルバス無しで行くことも可能です。

ムワンザの空港からムソマのKさんの勤めるカレッジまで、タクシー・バス・タクシーと乗り継ぐ必要があり、私にとってはちょっとした冒険でしたが、Kさんから事前に手順を教えてもらっていたので問題なく到着しました。

バスでは、ヒップホップ風にアレンジされたバラードの曲が延々と流れていたのですが、窓の外に広がる田舎の景色と意外に合っていて、タンザニア人になったような気がしながら、うとうと・・・なかなか心地良かったです(ただし、バスはすごいスピードで走る上、頻繁にクラクションを鳴らすので、慣れないと熟睡はできないと思います)。

写真は、Kさんの勤めていたカレッジの入り口です。

(②へ続く。)

Thursday, July 13, 2006

タンザニアに関する本

タンザニアに関する本のご紹介です。

1.『おしゃべりなタンザニア』(木村映子さん著、1995年)
タンザニア在住暦が長く、スワヒリ語ペラペラな(タンザニア人より上手という噂あり)木村さんの視点で、タンザニアの人々の生活、歴史、文化、政治、経済などが生き生きと書かれています。新聞に掲載されたコラムをまとめたものなので、一つ一つのコラムが短く、読み出すと止まらなくなります。

2.『我が志、アフリカにあり』(島岡由美子さん著、2003年)
数ヶ月前に大使館の方から借りて読み、先月の帰国休暇で購入しました。ザンジバルでの生活や、島岡さんのご主人の生き方について書いてあります。この本を読むと、私ももっと頑張らなければ、という気持ちになります。

3.『タンザナイト―僕の職場はタンザニア』(野田直人さん著、1997年)
1997年の発刊後わりとすぐに、開発の仕事について学びたくて購入した本で、今は東京の実家においてあります。買った当時はアフリカに関心がなく、将来タンザニアに来ることになるとは思っていませんでした。

因みに1と3は貴重なサイン入りを持っています(2も、いつかサインいただけるかも・・・)。他にもタンザニアに関する本はいろいろ出ているので、次回帰国したときに買いたいと思っています。

写真はザンジバルのアフリカ・ハウス(ホテル)です。

Monday, July 10, 2006

アクロニム

タンザニアの開発援助に関する仕事をしていると、たくさんのアクロニム(英語の略語)が出てきます。

Pから始まるものが特に多いと思うので、ためしに並べてみますと、PRS、PRBS、PRSC、PAF、PEDP、PFMRP、PMS、PMMP、PER、PHDR、PSRP、PSD、・・・、それぞれタンザニアの開発に関する計画、報告書、プログラムなどを意味する英語の略語です。Pから始まるアクロニムが多いのは、貧困(Poverty)という言葉が最初に使われることが多いからだと思います。

タンザニアに対して支援を行っている先進国ドナーは、タンザニアの開発に向けた取り組みを支援するパートナーであるという意味をこめて、自分たちのことを「開発パートナー(Development Partner:DP)」と呼んでいます。また、タンザニアには開発パートナーグループ(Development Partners Group:DPG)という援助を行うための枠組みができています。

DPG関連の会議に出ると、アクロニムが出てきますので、最初は何について話しているのかわからず困ります。私自身、赴任当初は悩まされました。しかし、しばらくするとアクロニムに慣れて、自然と自分でも使うようになるから不思議です。スワヒリ語の単語もこのくらいすんなり身についてくればいいのですが。

Tuesday, July 04, 2006

写真展

今日はお昼休みに、国立博物館で展示中の写真展に連れて行ってもらいました。

この写真展は、World Press Photoというオランダにある非営利団体(NPO)が、フォトジャーナリズムの質の向上などを目的に、毎年写真のコンテストを行い、受賞作品を世界各国で展示しているものです。私は初めて見ましたが、ピュリッツァー賞の写真のように社会的メッセージが込められていて、見ごたえがありました。世界中のいろいろな人たちが被写体になっていますが、特に戦争・紛争・天災の被害を受けた人々の写真は衝撃的でした。

このような写真展がタンザニアまで来ているのはちょっと意外でした。
写真は下記ウェブサイトでも閲覧できます(英語のみ)。
http://www.worldpressphoto.nl/index.php?option=com_photogallery&task=blogsection&id=16&Itemid=137&bandwidth=high

Monday, July 03, 2006

帰タン

2週間の休暇で、しっかり充電することができました。

タンザニアに来てから1年が経ち、あたり前のように感じていたここでの仕事や生活を、外から改めて見ることができました。家族や友人、恩師などからいただいた言葉、投げかけられた疑問などを心にしっかり留めて、次の行動につなげていきたいと思います。

いろいろ印象に残る会話・メッセージがありました。たとえば、今回初めてお会いした大学3年生のSさんから「自分がやりたい仕事をしていて羨ましいです」というようなことを言われ、その言葉が新鮮に聞こえて、「そういわれてみればそうだな、自分は恵まれているな」と思い、励まされました。

さて、仕事に戻って1日目の今日は、大使館でとてもお世話になった方の送別会がありました。明日帰国されます。毎日一緒にお仕事させていただき、たくさんご指導してくださった方が離任されるときは、とても寂しい気持ちになりますね。

写真はザンジバルのストーンタウンにあるダウホテルの窓です。わかりにくいですが、窓の向こうにも窓があるのが見えますか?